住宅ローンは何故危険か?

私は住宅ローンは最も危険な投資であると思っています。何故かと言いますと、住宅ローンは消費の為の借金だからです。消費とは、「使ってなくす事」です。

 

簡単な例を言いますと、あなたがアパート経営をやろうとしたとします(仮の話です。)。まぁ、アパート経営でも借家経営でも良いのですが、例えば建築費用が5千万円かかるとします。建築費用は銀行で借ります。それで借金をどうやって返済するのかと言いますと、入って来る家賃から返済する事になります。部屋が埋まっていればあなたの給料から返済をするわけではない。5千万円を投資して、年間で4百万円の家賃収入を得たとすると、利回りは、4百万円÷5千万円×100=8%みたいな計算をします。これは投資です。

 

片や、住宅はどうでしょうか?同じ借金をするにしても、家賃は入って来ません。これは消費です。返済はあなたの給料の中から賄う事になります。これでわかって頂いたと思いますが、投資と消費の違いは、元をかけた(資金を投じた)事により、お金が入ってくるかどうかです。

 

もうひとつ例を挙げますと、例えばあなたが車を買う資金を借りに銀行へ行ったとします。すると銀行員は、どんな目的で車を買うのかを聞いてきます。自家用車として、プライベートで使う場合は消費資金になります。自家用車の場合は何らお金を生む事はありません。もしあなたが、例えば運送業ををやっていて、荷物を運ぶのに使う車を買う為の資金は事業資金になります。荷物を運んだ対価を受け取る事になるので、この場合は車がお金を稼ぐという事になります。車を買う目的によって返済源が違ってきます。自家用車であれば、あなたの給与収入から支払う事になりますし、商用車であるなら、事業の売上から支払う事になりますので、それ用のローンがそれぞれありますから、お金を借りる場合は入り口から違います。

 

住宅ローンの場合は借りる金額が大きい。年収500万円の人が3千万円かりた場合、年収の6倍です。3百万円で新車を買うのとはわけが違うのです。

 

これが投資であるなら、資金を投じた結果、何らかのリターンがありますが、住宅の場合は何も入ってきませんし、消費ですから消えてなくなります。お金は消えても家は残るじゃないかと思うかもしれませんが、木造だと耐用年数は20年ですから20年で価値がゼロと考えて良いと思います。実際、中古住宅を売ろうとした場合、家を壊すのに費用がかかる為、壊し賃を見越して売値を下げられたリします。ボロ家が建っているよりは、更地の方が高く売れるケースの方が多いのではないかと思います。

 

消費は(投資と違い)お金が入って来ることはありません。それどころか逆に固定資産税や修繕費用などの出費が増えます。お金は出ていく一方となります。アパート経営を例にとりましたが、もちろんアパート経営にもリスクはあります。収支が赤字になる事もあるでしょう。でも何も入って来ない、自宅に何千万円もお金を借りるのとどちらがリスクが高いと思われますか?もし、投資の為の借金か、消費の為の借金か、どちらか選べと言われたなら、私なら投資の為の借金を選ぶと思います。

 

念のため断っておきますが、アパート経営を薦めているわけではありませんよ。消費の為に多額の借金をする事は、本来はあまり良くない事だということです。極端な言い方をすればですが、消費というくくりでいうならポルシェやBMWを買うのに借金するのも、家を買うのに借金するのも同じ消費の為の借金ですのであまり変わらないと思えるのです。

 

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資産が先、借金は後という考え方

ベストセラーになったので、読まれた方も多いとは思いますが、ロバート・キヨサキ氏の金持ち父さん貧乏父さんと言う本があります。

 

ロバート・キヨサキ氏は既に破産しておりますので、全てが正しいとは言い切れませんが、良書であると思います。私も多分に影響を受けております。

 

この本の中に資産を作るのが先で、消費は後、という教えが出てきます。ロバート・キヨサキ氏の言う資産とは、株、土地、投資信託など、自分のポケットにチャリンチャリンとお金を入れてくれるものの事を言っています。会計学上は住宅も資産ですが、お金を生まないばかりか逆にお金が出ていくので、住宅は資産ではなく負債であると氏はそう定義しています。

 

資産を持てば、お金が入って来るようになり、その後で借金をすれば資産が借金を支払ってくれるようになる。多くの人は、「資産を買ったと思って負債を抱え込む。」のだそうです。負債を抱えてしまったら、チャンスが訪れた時にお金を出す事ができない。負債を抱え込んでしまった後では資産を持つ事もできない。資産を持てば、資産が借金を支払ってくれる。この差は大きいと思います。

 

じゃあ資産を持とうかと思っても、株や投資信託に投資をしても上手く行くとは限りませんし、なかなか難しいとは思います。お金に関するリテラシーを上げる事が必要であると書かれてありますが、株式投資などは勉強すればするほど損をしている人が多いように思えます。(プロに裏をかかれるからだと思っています。)

 

しかし、私の友人にも、土地を貸していて毎月何十万円も家賃が入ってくる人がいます。私の友人は家を建てた時、全額キャッシュで支払いましたが、仮に住宅ロ−ンを借りたとしても、自分の給料に手を付けることなく、入って来る家賃から支払う事は余裕でできたでしょう。それも事実です。そもそも家を建てるのにキャッシュで賄えた事自体、資産を持っていた恩恵です。資産を持つと言ってもそれは難しいと思いますが、こういう考え方もあるんだという事を覚えておくと良いと思います。

 

 

 

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