住宅ローンの借り換えが出来ない?

住宅金融公庫のゆとり返済って知っていますか?

 

2000年4月に廃止されていますが、ゆとり返済で検索してみるとその悪名の高さがわかると思います。 簡単に説明すると、例えば30年返済だったとして当初の期間5年間は期間50年で借りたように計算をして、毎月の返済額を軽減し、6年目からそのしわ寄せが一気に来るというしくみの商品です。 元利金等返済は最初のうちは利息の占める部分が多く、5年経っても元金は殆ど減っていない。最初はやさしく、あとは猛烈に厳しいローンです。

 

これは所得が増加する事、地価が上昇する事、終身雇用という3本柱があって成り立っていた商品だったのですが、今やその3つ全てが崩れ去りました。 でもいまだにそのゆとり返済を利用している人がたくさんいらっしゃるのも事実。かつては住宅金融公庫も5%とか6%という金利でした。その内大半は銀行など民間金融機関の安い住宅ローンに借り換えをしました。 じゃあ何故彼らは借り換えをしないのでしょうか?答えは簡単。借り換えしないのではなく、借り換え出来ないのです。

 

私の住んでいるところの近くに、バブルの頃に作られた団地があります。今中古住宅が売られているのをちょくちょく見かけますが、800万円でも買い手が付かないという状況です。 しかし、この物件はバブル絶頂期に作られた物件で、当時は3,000万円から4,000万円で売られていたのです。 仮に4,000万円を金利5%、元利金等、30年で借りたとすると、総返済額は7,730万円です。

 

毎月214,728円×360回=7,730万円
ゆとり返済なら7,926万円 (1年〜5年181,655万円×60回)+(6年〜10年227,877万円×300回) =7,926万円

 

平成元年ごろに家を30年ローンで買ったとしたら、約20年が経過してあとまだ10年残っている計算ですね。上の例はまだ良いほうで、実際には10年目から金利が上がっています。果たして残高はいくら残っているでしょうか? 金利が高いと驚くほど元金が減りませんしゆとり返済なら最初の5年間は全くといっていい程元金が減りません。支払っているのは殆ど利息のみです。 恐らくは20年経過してもまだ2,000万円近く残高が残っていると思います。

 

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ゆとり返済が怖いのは、最初の5年間は元金の返済が殆どありません。あとからしわ寄せがやってくるという事です。見た目の総返済額の差以上に苦しいはずです。 アメリカのサブプライムローンみたいな感じですね。

 

もし、そのゆとりローンを抱えた人が、銀行の安いローンに借り換えを相談したとします。しかし恐らくは担保不足で断られるでしょう。借り換えとは、銀行(もしくは保証会社)が該当不動産物件に抵当権を設定し、資金を債務者に貸し付け、貸し付けたお金で住宅金融公庫の債務の返済を行う事を言います。

 

800万円でも買い手が付かないような物件担保に2,000万円近くの金を貸す銀行は恐らくはないでしょう。ではどうするか?返済を続けるしかありません。前述のようなローンはその当時、一般庶民が取り組むようなローンでした。ウチに来ていたN証券の営業はボーナスで300万円もらったとか言っていましたがそういう時代だったのです。今買っておかないと、来年はもっと値上がりしている!と言えばイメージできますか?収入も物価も右肩上がりだったのです。

 

しかし今このローンをあなたなら支払う事ができますか?私には無理です。とっくに返済不能に陥り、自己破産していると思いますが、自己破産していなかったとしたらまさに借金地獄です。こうなってしまっては夢のマイホームどころか、マイホームの為に一生を棒に振るという事になってしまいます。 何でこんな借金をしたんでしょうか?今なら誰もがそう思います。しかし、これも後になってからしかわからない事なのです。住宅金融公庫は政府系の金融機関ですから信用もありますし、これから益々土地の値段が上がり、昇給して年収も増えると誰しもが思ったのです。

 

しかし現実は、全くの逆になってしまいました。 見通しが間違っていたのです。見通しが間違っていれば、銀行も審査の判断を間違えます。国だって見通しを間違えるのです。だけど責任は個人がとらなければなりません。住宅ローンを借りる時には、こうした世の中の変化をも考える必要があると思うのはそういうわけです。そいう世の中の変化に対するリスクに備えるという意味で、なるべく借入金額を少なくする事、ある程度の貯えを持つことが必要だと考えます。

 

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